矯正治療について その3
2024年12月15日
千葉県市原市八幡宿駅前歯科医院、フローラデンタルクリニックの院長ブログです。
不定期ながら、歯科医療、治療について投稿しております。
皆様のご参考になれば幸いです。
矯正治療について その3
前回も述べたことですが、矯正治療において最重要なことは診査、診断です。
しかし、診査、診断、治療計画となると、個々の先生によって大きな違いがあります。
自分自身の場合ですが、顎関節が安定しているのか?
顎関節の安定した位置が、本当に合っているのか?
矯正治療後、全ての歯が咬むようにできるのか?
全ての歯が、すり減っている状況で、矯正治療のみの対応で可能なのか?
咬み合わせ、顎関節を考慮するならば、多くの対応を検討しなければならないのです。
矯正治療は、歯並びの改善という目的だけならば、治療計画は変わります。
歯並びが良くなる=咬み合わせが良くなる
歯並びが良くなる=顎関節が安定する
これらが一致するわけではないのです。
骨格的な問題も同様です。
明らかに骨格性の受け口、出っ歯は、外科も伴うものとわかりやすいかも知れませんが、外科を含むか含まないかで判断しかねる場合があります。
そのような場合は、小臼歯を抜歯後、そのスペースを活用し歯並びを改善する矯正治療は一般的には広まっている方法です。
しかし、この二択の治療方法だけではないのです。
矯正治療において奥歯を移動させることは難しいことなのですが、それが可能ならば小臼歯の抜歯を回避できる方法もあるのです。
個々の先生の考え方、知識、スキル、患者さんの理解、対応によって治療方法は異なるのです。
顎関節、咬み合わせを考慮することは、決して簡単なことではありません。
明確に治療方法が確立され、ガイドライン、指針があり、全ての歯科医が共通の認識がなければなりません。
また、システム体系の構築も必要なことです。
現状においては、咬み慣れた習慣性の咬み合わせを損なわずに治療することが賢明です。
身体、生体の対応能力の恩恵を受けているのです。
顎関節が、歯並びを変えようも、審美、美容歯科という分野で全て白い被せ物で被せようとも、歯を失っても、常に対応しようとしてくれているのです。