
管理栄養士さんの職場選びの難しさとは?
2025年10月22日
千葉県市原市八幡宿駅前歯科医院、フローラデンタルクリニックの院長ブログです。
不定期ながら、歯科医療、治療について投稿しております。
近年、管理栄養士さんが、歯科医院で勤務されることが増えて来ました。
歯科分野において、今では資格のない歯科助手さんという役職は無くなってきています。
受付、カウンセリングも専門性を持つスタッフとして勤務する時代となっています。
当院も歯科衛生士、管理栄養士と資格取得者のスタッフ構成となっています。
管理栄養士さんを雇用するため、長年、管理栄養士さんの職場事情、課題を考察してきました。
一番の課題は、管理栄養士の資格を活用できる職場が、限られていることです。
食事指導という役割だけ与えてくれる職場を探そうとすると、無い状況に等しいのです。
この食事指導という仕事において、どの分野も収入が得られないことが原因です。
医院ならば、医療行為
介護施設ならば、介護すること
保育園ならば、育児
薬局ならば、薬の処方となります。
管理栄養士という健康の回復、増進、維持、お子さんの健や食を通してサポートするという特徴のため、医院、介護施設、保育園、薬局、会社など雇用側が、活躍できる職場を作る必要性があります。
そのような職場を作るには?
管理栄養士さん自身が、各分野の仕事において専門性を持ち活躍することから、初めて管理栄養士としての専門性が生かせる職場が作れるのです。
そのため、各分野の仕事を、管理栄養士さんとしてだけでなく、ご自身が興味を持ち、その分野の仕事にやりがいを感じることが大切です。
例えるならば、医療のサポート、介護、保育、調理、サプリメント、漢方の販売などです。
これらの仕事は、本来の仕事ではない、管理栄養士としての資格が使えてないと思うかもしれません。
特に若い管理栄養士さんは、そう思うかもしれません。
仕事は、多様性は必要なことであり、可能性を広めてくれるのです。
歯科医も歯科衛生士も同様です。
歯科医が分院長、院長になれば、歯科治療だけが仕事ではありません。
歯科衛生士さんが、歯周病の治療、ケアだけでなく、ホワイトニングなどに興味を持つことは、仕事の幅が広がり、新たな価値、やりがいを持たせてくれます。
歯科医院で管理栄養士さんが活躍できるのか?
そうお思う、管理栄養士さんも多いのではないでしょうか?
当院での取り組み
管理栄養士さんは、カウンセリングのプロとなるべきと捉えています。
歯科医院のトリートメントコーディネーターとして活躍することが、最初のステップと言えます。
仕事の大まかな内容としては、初めて来院される患者さんに初診カウンセリングを行います。患者さんの主訴、今までの経緯、など問診します。
次回までに治療計画を立て、歯科医とトリートメントコーディネーターである管理栄養士とでミーティングを行い、治療のカウンセリングを患者さんに歯科医の代わりに説明していきます。治療計画の説明後、患者さん自身の要望があります。その要望に対応した治療計画、治療費の見積もりなど提示し、治療計画が決まり進めていくことになります。
高齢者の場合、治療計画の大半は、入れ歯を入れていくということになります。初めて入れ歯を入れる患者さんには、リハビリと同じです。
入れ歯のつけ方、外し方、手入れの仕方など説明は必要です。
リハビリと捉えるなら、食事の仕方、入れ歯を入れる必要性も説明しなければなりません。
口腔機能(呼吸、咀嚼、嚥下、発音)の低下を防ぐ必要性があります。誤嚥性の肺炎、物を詰まらせるという死因が多いためです。義歯のカウンセリングが必要なのです。
お子さんはどうでしょうか?
小児歯科は、虫歯予防だけではありません。現在、お子さんの問題点は口腔機能不全です。
口呼吸、指しゃぶり、舌癖、発音障害、歯並びの悪さの原因なのです。これらを未然に防ぐことができるのは、やはりトリートメントコーディネーターのカウンセリングとなります。
生活習慣病、全身疾患を持つ方はどうでしょうか?
糖尿病、骨粗鬆症、癌を患った患者さん、腎不全、肝機能不全など、歯周病に罹患しやすいことや、歯周病と全身への影響は認知されてきています。
今後、トリートメントコーディネーターのカウンセリングは必要なこととなります。
トリートメントコーディネーターが、患者さんにとって最も相談しやすい存在と言えます。
トリートメントコーディネーターが管理栄養士さんならば、新しい価値を作ることが可能なのです。
今後、医療はますます予防の時代となります。
医科と歯科の連携、介護施設との連携と重要性が増しています。そして、予防という習慣が確立されているのが、歯科だけなのです。現状では、病院に健康診断は行きますが病気にならないように予防のために行くことは難しいと思います。
将来、歯科に特化した管理栄養士が予防の担い手になると捉えています。
歯科に特化した管理栄養士、新しい管理栄養士さんの価値を造ることが、新しい予防医療を創造できると思っています。