保険診療の限界
2020年2月7日
千葉県市原市八幡宿駅前の歯科医院、フローラデンタルクリニックの院長ブログです。
ホームページ、ブログを通じて歯科に関する知識、実情などお伝えしております。
ご参考になれば幸いです。
写真にあるような銀の被せ物は、一般的に保険診療でおこなわれる治療なのですが、
この銀歯の被せ物や詰め物でさえ歯科医院でおこなうことが少なくなってきました。
銀歯の保険点数は十数年と保険点数がほとんど変わっていないのが実情です。
しかし、金属の値段は5倍以上になっており歯科医院の経営を圧迫しているのです。
そのため、大抵の歯科医院ではレジンというプラスチック製の詰め物、被せ物を多用している歯科医院が増えているのです。
患者さんに説明なく、保険で、もしくはセラミックや金合金の詰め物、被せ物の半分の値段で提供している歯科医院が多くあります。
説明が無ければ、安く白い詰め物が提供されているので良かったと思っている患者さんは多くいるのではないかと思います。
しかし、レジンは前歯の歯の間に詰めるために開発されたもので奥歯に使えばすり減ってしまうのです。
すり減ってくればかみ合わせが低くなり、以前より口もとが垂れてきた、出っ歯になってきた、前歯に隙間ができてきた、舌がこすれる、顎がガクガクする、ほうれい線が深くなったなど、お口の中全体に悪影響が出てくるのです。
むし歯だけ考えてみれば、削る、詰めるで良いので、何を詰めようともかまわないかもしれません。
そんなにお口の中は簡単ではありません。
一生涯、お口の中を健康に保つのは顎、かみ合わせ、歯並び、すり減らない材質、個々に合わせた治療計画は絶対不可欠なのです。
全てのことに考慮してある保険診療ならば良いのかもしれませんが、残念ながら今後もそのように変ることはないのです。
自分は世界の治療を見てきています。
北欧の国のように消費税50%という、多くの税金を国民の皆さんが払い、保険診療を充実させる方法
アメリカのように、全て自己責任、治療費によって治療のグレードを自ら決める方法
両極端ですが、これらの国の医療の進歩、発展はすさまじいです。
日本は、良くも悪くも保険診療のメインの国です。
どんなに医療従事者が世界で勉強してトップレベルの技術を学んだとしても、それを提供する場がないことが多いのです。
そのため、海外でトップレベルの技術をマスターした先生方は保険診療をおこなわない先生が実はほとんどです。
保険診療は、決められた材料で、個々の先生の技量は考慮していません。また、多くの人数の患者さんを治療しなければ医業収入を得ることができないのです。
努力している先生が、報われない制度になっています。
お口の中に関心がなく、取れたところを治してくれればいい、悪くなったら診てくればいい、お口の中が悪すぎて、金銭的に余裕がないのでまず保険で治してほしい、という方には保険診療は良いのかもしれません。
しかし、中には顔貌が美しく、一生涯、お口の中で困らないように、質の高い人生、生活が送れるようにちゃんと治したい方もいるのも事実です。
フローラデンタルクリニックでは、後者の方を治したいと考えております。
自分自身は歯科治療が好きです。
長い年月をかけて切磋琢磨してきました。
本質を追求した医療で、一生涯困らない医療を提供できる域まできたという自負もあります。
残りの歯科人生を、悔いなく本質を求めた治療をしていこうと考えております。
どの業種も同じですが、質を求めた側、安い、いつでもなどサービスを重視する側のお店があるように、医療も、個別に本質を求める患者さんのための医院、早く、安く、いつでも診てくれるサービス型の医院があるのです。
どのような医院を自分が求めているかで歯科医院を選んでみてください。
ご興味を持っていただけましたら、ご相談ください。