これまで当院がインプラントを推奨していなかった理由と、
ほとんど知られていない「リスク」とその原因とは?
当院は、開院以来ほとんどインプラントを推奨することはありませんでした。
なぜなら、「悪くなるのが分かっているのに治療することはできない」という理由でした。
ほとんどの症例において、インプラントを入れることで短期的には「歯を取り戻せた!」「なんでも食べられるようになった!」という幸福感が味わえます。
しかし、長期的に考えると他の歯までどんどん悪くなってしまう負のスパイラルに陥ることが大いに予見できていたからです。
では、具体的にどんなインプラントのリスクがあるのでしょう。
実は(1)以外は、インプラントの「失敗」とは扱われることはありません。
なぜなら、歯科医師にとってある程度「起こるのは仕方がないよね」というリスクであることが当たり前となっているからです。
現状では、これらのリスクを防ぐ方法も確立されておらず、
そもそもどうして起こるのかを理解している歯科医師自体が少なく、理解して事前に起こらないように「予防する技術」がないため対処できません。
いずれもインプラントのやり直しにつながることなので、身体への負担だけでなく経済的な負担も大きなものになってしまいます。
特に(3)のようにインプラントを入れた部位以外が次々連鎖的に悪くなってしまい、最終的に数百万円のお金を使うことになるというケースも少なくありません。
咬み合わせによりインプラントと周囲の歯が悪くなってしまう原因には、大きく分けて4つあります。
インプラントは骨にネジを埋め込んでいるため、例えて言うと歯の下にサスペンションがない状態です。
そのため適切な噛み合わせで設計しないと、対となる歯に力がかかりすぎてしまいます。
しかも、数十年間使用している元々弱くなっている歯であるため、寿命が著しく短く抜ける原因となってしまうのです。
負荷がかかるため、10~20万円と費用がかかった高価なかぶせ物でも割れやすくなってしまいます。
(患者Aさんのケース)
インプラント治療で悩まれた患者さんです。インプラント治療のトラブルの連続でした。
2013年
左の上下、インプラント上部構造(被せ物)が壊れないようにかみ合わせが弱いため、手前の自分の歯に負担がかかり破折
左の上下、インプラントは他院でおこなっているため、メーカー不明
メーカーが違うとインプラントの被せ物のやり直しができません。
2014年
「もうインプラントは嫌だ」と患者さんが主張
インプラントはおこなわず、手前の歯と連結(かなり変則的な治療)
この時期からOBIのマウスピースをつけだす
2018年
4年ぶりに来院
マウスピースを夜つけなくなり右下インプラントの上部構造脱離
幸いにも再着可能
現在に至る
トラブルなく長期維持の段階に入っています。
インプラント専門医が行った症例だとしても多いのがこのケースです。
①のように対合歯へ負担がかかることを見越して、咬み合わせを「甘く」してなるべく当たらないようにしているのです。
施術するドクターは「当てている」と言いますが、明らかに適正な咬み合わせではないことがほとんどです。
するとインプラントの部分が適切に噛んでいない分、噛むときに他の歯に負荷がかかります。
そうして、他の歯まで寿命が短くなってしまいます。インプラントを入れたことがきっかけで、連鎖的に歯を失うことが起こってしまうのです。
(患者Aさんのケース)
2010年に初めて当院されました。
2010年
他院にて既に左上、左下インプラント治療を受けている
インプラントのメーカー不明
右下が破折
インプラントより自分の歯が噛みやすいため右で多く噛むようになったため
2011年
インプラントを当院にて治療
(患者Bさん)
他院にてインプラント治療を数年前にうけています。
インプラント治療をしてくれた先生がいなくなってしまって当院に来院されました。
歯並び、かみ合わせの考慮ない
被せ物の白い部分が全てすり減っている(左下)
どこのメーカーを使っているかわからず、被せ物(上部構造)が治せない
かみ合わせが低くなってきているため自分の歯が破折(左下奥)
当院にてこのままメンテナンス、経過を見ています。
歯並び、かみ合わせの考慮ないインプラント治療
メーカーが不明でかみ合わせを考慮した被せ物のやり直しができません。
インプラントが埋入されていると、歯を矯正で動かすこともできません。
インプラント歯周炎はインプラントが抜け落ちてしまう大きな要因となります。
歯周炎になった場合には普通、「メンテナンスに来ていなかったからですよ」と患者さんの責任となることがほとんどです。
もしくは、歯科衛生士のメンテナンス技術が未熟なために歯周炎が進行してしまうことまであります。
しかし、歯周炎は「不正な咬み合わせ」が原因であることも非常に多いのです。
咬み合わせが適切でないため、インプラントの部分にも過度に負担がかかって歯肉が腫れてしまい、インプラントを埋めている骨も溶けてしまうのです。
(患者Aさんのケース)
2010年に来院されて翌年のトラブルです。
2011年
左側は上下の奥歯があたっていないため、右側しかよく噛めないため、すぐにインプラント脱離、その後再度、インプラント埋入
例えば、上顎の両方の奥歯にインプラントを入れている患者さんの例がありました。
欠損部位を補うことはできているのですが、咬み合わせを適切に設計されていないため全体のバランスが崩れて顎に負担がかかってしまっていました。
インプラントが原因で顎関節症まで引き起こすことになってしまうのです。
(患者Cさん)
20年前に大学病院にて右上、左下インプラント治療をおこないました。
大学でのメンテナンスは通うことが遠く当院で13年前から当院でおこなうようになりました
インプラントの上部構造(被せ物)は金属の為破折はありません。
歯並び、かみ合わせは考慮していないので6年前にマウスピースを作ったのですが、患者さんが必要性を感じずはめることをしませんでした。
そのため、現在、顎関節に負担を生じ、顎がガクガクする、口を5分開けてられない、耳が遠くなったという症状が出てきています。
右と左の顎関節の非対称が見られます。(左の顎関節頭が壊れています。)
これ以上顎関節が壊れないようにマウスピースを再度検討されています。
それは歯科医師にとっても「咬み合わせ」というのは、最難関の分野だからです。
勉強しても、勉強しても、答えが見えないように感じる分野なのです。
そのため、「咬み合わせまで正確に、適切に治療するのは無理だ」と信じている歯科医師も少なくありません。
そして、世界中にもほとんど咬み合わせに関して医学的根拠のある確立した理論はほとんどありません。
そのため、インプラントを世界中で学んで、過去に数万本もインプラント治療を行っているプロフェッショナルなインプラントドクターでも、咬み合わせまで習熟することは困難であるという問題があるのです。
院長の菊地は、歯科先進国である北欧や米国の治療技術を研究・習得すると同時に生物学、細菌学の分野の研究を続けてきました。
その知識と技術を独自に組み合わせ、臨床での経験を積むことで開発したのが「Biological Treatment(商標出願中)」です。
当院の治療はすべて「Biological Treatment」の理論と技術ベースとなっています。
インプラント治療にも生かすことで本ページに記載したようなリスクを防ぎ、健康な状態を維持していただけるという確信に至り、当院におけるインプラント治療の解禁を行いました。
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